シーベジタブル (伊藤茉由)

はじまり
海と地域をつなぐ若き担い手
私が海藻の生産や研究に関わるようになったきっかけは、大学時代に地元を離れ、地域創生について学んだことにあります。地域の文化や産業の価値を改めて考えるなかで、かつて松崎や伊豆地域で盛んだった海藻の収穫文化が、近年の環境変化によって徐々に弱まっていることを知りました。
とりわけ「すじ青のり」や「ひじき」は、地域の冬の風物詩として、長く地元の食卓を支えてきた存在です。そうした風景や文化をもう一度取り戻したいという思いから、海藻を人の手で育てる技術の研究や生産に携わるようになり、地域に根づく海藻文化の復活と継承に取り組んでいます。

日々の出会い
海藻がつなぐ、海と人と日々の暮らし
私が活動の基盤に置いているのは、「海藻を通じて、海と人との関係をより豊かにしたい」という思いです。海藻は海の生態系を支える存在で、「海のゆりかご」とも呼ばれています。環境を守る役割だけでなく、人々の暮らしや食文化とも深く結びついてきました。
私は、海藻を単に生産するだけでなく、香りや栄養価の高い海藻を美味しく楽しむ文化そのものを伝えていきたいと考えています。そうした取り組みを通じて、地域の外に暮らす人たちにも、海藻の持つ価値や魅力を届けていきたいという思いを持っています。
また、松崎・西伊豆地域に根づく「働き方や暮らし方を柔軟に捉える」文化を大切にしながら、日々の仕事や家族との時間、人との出会いをつなげる形で活動を続けています。

私の原点
原点の地・松崎から、未来へ
私は幼少期を松崎で過ごし、この土地を自分にとって大切な原点だと感じています。昔から「いつかは松崎に戻りたい」と思い続けてきました。Uターン後は、松崎町やその周辺地域に根づく暮らしや産業、文化を次の世代へ引き継いでいくことに力を注いでいます。
地域で育まれてきた海藻文化を取り戻すことは、生態系の再生や地域の活性化にもつながると考えています。そうした思いを共有する仲間とともに、豊かな海と暮らしを未来へつなぐ活動を続けています。
また、移住支援や地域交流の場づくりにも関わりながら、松崎町が「合う人にとって心地よい場所」であり続けられるよう、この土地の暮らしの魅力や可能性を発信しています。


